資金調達の方法には様々なものがあります。
一方で、利用してはいけない資金調達方法もあります。
それは、闇金利用です。
何となく危険なイメージのある闇金ですが、具体的に、なぜ利用してはいけないのでしょうか。
今回はその理由について解説しましょう。
闇金を利用してはいけない理由
闇金を利用してはいけない理由は次のようなものがあります。
法外な金利のせいでどんどん借金が膨れ上がる
闇金は、法律で設定されている年率20%を超える金利設定がされています。
これは、金融庁に届け出のない違法な業者だからこそできる方法です。
20%といえば、10万円であれば2万円が金利でつく程度なので何とか返済できそうなイメージですが、返済しようとしても金利によって借りている金額がどんどん膨れ上がり、いつまでたっても元本の10万円が返済できない状態になります。
さらに10万円すら返済できずに金利でその金額も増え、返済不可能になるのです。
悪質な取り立てのせいで家族や職場にも迷惑をかける
実は、取り立ての方法についても法律で厳しく設定されており、サラ金や銀行は、その法律のもと裁判で差し押さえることはあるものの、合法的に優しい方法で取り立てを行います。
一方、闇金はそういった法律の管轄外なので、ありとあらゆる方法で取り立てを行います。
その方法は苛烈そのもので、昔のドラマに出てくるような恫喝や脅迫、家族へのいやがらせ、職場への妨害といった方法すら簡単にやってのけます。
そうして家族や職場から孤立してしまうのです。
個人情報を悪用されたり犯罪に巻き込まれたりする可能性がある
法律に関係なく取り立てができるということは、借りる際に入手した個人情報の悪用も当然行われます。
住所や連絡先、場合によっては身分証明書の情報といったものも悪用され、他の犯罪に巻き込まれることもあります。
「返済を助けてやる」という名目で、さらに返済が困難になるような詐欺事件に巻き込まれることすらあるのです。
闇金は返済さえすればいいというわけではなく、借りたが最後、こういった犯罪にさらされるリスクも背負わなければならないのです。
闇金から脅迫、嫌がらせを受けたときの対処方法
万が一、闇金から脅迫や嫌がらせを受けたときの対処法を紹介します。
実は闇金の借金は返さなくて良い
基本的に闇金からの借金は返済する必要がありません。
恫喝や脅迫によってパニックになり、返済しないと何をされるか分からないといったことも想像されます。
一方で、闇金は金融庁や財務局からの認可を受けていない違法な金融業者なので、そもそもお金を貸して商売をしてはいけないのです。
そのため、貸金業自体が違法で正式なものではないため、返済しなくとも法律上の上では問題ありません。
そのため、恫喝や脅迫を受けても冷静に対処できるのです。
自分で「返さない」と言っても通用しない
相手が違法な存在なら、自分で返済しないと宣言して返済を止めれば良いと思う方もいます。
一方で、その考えは大きな間違いです。
闇金もそういった対処をしてくるのは予想されたことであり、手を変え品を変え、様々な方法で返済を迫ります。
無視をしても通用しません。
犯罪のプロでもある闇金業者は、自分で「返さない」といっても通用しないのです。
犯罪に巻き込まれないためにも、自分だけで解決をしようとしないことが重要です。
警察に相談
闇金は違法な存在なので、警察に相談しましょう。
警察に相談することで、恫喝や脅迫といったことを止めることはできます。
ただ、警察もそれ以上の対応ができないことがあり、返済などを求めて訴訟を起こすと言ってくる可能性もあります。
そのため、脅迫や恫喝については警察で何とか対応できるものの、借金自体の帳消しといった手続きは対応してもらえないことがほとんどです。
このような背景もあることから警察だけでは不十分といえるでしょう。
弁護士、司法書士に相談
弁護士や司法書士に相談するのもおすすめです。
140万円を超えない範囲の借金であれば、司法書士のうち法務大臣の認証を受けた認定司法書士によって解決が可能になります。
また、高額な闇金の借金を抱えている場合は、裁判など法的な手段を含めて弁護士に依頼し、対応してもらうのがおすすめです。
脅迫や恫喝については警察に相談し、お金と暴力の両面に対して、それぞれ対応してもらうようにするのが基本的な闇金への対処法になります。
名誉毀損の投稿を削除する方法
闇金は名誉棄損の投稿をどんどん書き込むといった妨害をしてくるケースもあります。
その場合は裁判所から削除命令を出してもらうのがおすすめです。
裁判の仮処分で名誉棄損や侮辱の被害を立証できれば、裁判所から誹謗中傷が書き込まれているサイトに対して、その削除命令を出してもらうことが可能です。
個人の削除依頼では対応してもらえないことが多いものの、裁判所から命令が出れば、ほとんど確実な削除が可能になります。
ただ、個人で裁判所の手続きが難しいことも多いので弁護士に相談するのがおすすめです。
闇金から違法な取り立てを受けたとき「やってはいけないこと」
泣き寝入りして払う
泣き寝入りして払うのは闇金にやりたい放題やられてしまう原因になります。
安易に払い続けると、他のことで因縁をつけてきて、借金を増やしてしまったり、周囲に嫌がらせをしたり、脅迫や恫喝がエスカレートしたりといったことが起こります。
こちらが何もしてこないで大人しくお金を払う存在だと闇金側が理解したら、様々な手で嫌がらせをしたり、搾取をしたりといったことをやってくることも多いので、必ず警察や弁護士、認定司法書士などに相談して対処するようにしましょう。
別の業者から借りて払う
サラ金などの返済で借り換えと呼ばれる手段があります。
金利の安い銀行や別のサラ金で提供しているおまとめローンのような商品を利用して払うというものです。
借り換え程度で対応できればいいのですが、別の場所から借りるといった方法を利用した場合、多重債務が加速してしまい、より返済が困難となります。
しかも闇金は自己破産や債務整理の対象外になるので、多重債務で破産してもついてくるのは目に見えています。
そういった意味で安易に別の場所から借りて多重債務者になるのはやめましょう。
口座を開設する、携帯電話を渡す、裸の写真を渡す
闇金の指示に従って口座開設をしたり、携帯電話を渡したり、あるいは裸の写真を渡すといったことを決して行ってはいけません。
口座を開設すれば、その口座を使って様々な犯罪の温床になってしまったりするだけでなく、余計な金融のトラブルを抱え込む危険性もあります。
また、携帯電話を渡してしまったら、人間関係が全てバレてしまい、多くの人に深刻な影響を与えてしまいます。
さらに裸の写真を渡したら、それがネットに流れ、海外に行ってしまった場合は削除も困難になります。
そういった意味でこれらの行為は絶対にするのをやめましょう。
夜逃げ、退職、離婚
夜逃げや退職、離婚も全く意味がありません。
むしろ事態を悪化させます。
夜逃げをしても闇金の追跡能力が高いことから、全国や海外に逃げても捕まってしまい、探すための費用を上乗せされてしまうことも珍しくありません。
退職すれば返済の手段がなくなるため、返済が不能となり、闇金の犯罪に巻き込まれる(海外で犯罪行為に加担させられたり、殺害される危険)こともあります。
離婚をしたとしても元配偶者に対して執拗に嫌がらせを続けることでしょう。
無駄なのでそれらをせずに何とか対応すべきです。
闇金以外でお金を用意する方法
闇金は危険な資金調達法です。
それ以外の方法として次の手段を利用しましょう。
国や自治体の制度を利用する
国や自治体では様々な融資や支援を行ってくれます。
例えば、資金調達であれば制度によって低い金利で融資を受けられます。
また、自治体の福祉協議会に連絡することで、生活費の資金を提供してくれる場合もあります。
いずれにしても金利は闇金よりはるかに低く、無理のない返済が可能になるだけでなく、融資ではない支援という形でお金を工面できることも珍しくありません。
困ったら、とりあえず国や自治体に相談してみて対応するようにしましょう。
いらないものを売ってお金を作る
身の周りを見渡せばいらないものは意外に多くあります。
たとえば、CDやDVD、本、バッグなどです。
これらはフリマサイトや買取店にもっていけば現金にできます。
意外なものが現金になることもあるので、周りにあるものを確認し、フリマサイトなどでいくらくらいで販売されているかチェックするのもおすすめです。
また、ゲームなども比較的高額で買い取ってもらえたり、現金にできるのでゲームの買取店などへ売ることも検討しましょう。
両親、友人から借りる
関係が良好であれば両親や友人から借りる手もあります。
両親や友人なら基本的に無利子で借りることができ、返済のペースもゆっくりで大丈夫なことも珍しくありません。
ただ、あまりに利用すると信頼を傷つけたり、友だちをなくしてしまうこともあるので、最後の手段だと思って利用しましょう。
また、断られることもあるので、断られても逆恨みすることのないようにすることも両親や友人から借りるうえで知っておきたいポイントです。
クレジットカード現金化してお金を作る
クレジットカードを持っていれば、現金化業者に依頼して、ショッピング枠を現金化してもらうという方法もあります。
クレジットカード現金化はカードが規約違反としており、グレーな点はあるものの、違法ではないので、最終手段して考えておいてもいいかもしれません。
また、クレジットカードを持っていなくても、後払いアプリによる現金化もできるので、知識として持っておいてもいいでしょう。
やってはいけない闇金のまとめ
闇金は法外な金利や厳しい取り立て、妨害、誹謗中傷など、一度利用する様々なトラブルの原因となります。
そのため利用することはやめましょう。
もし利用してしまった場合は、違法なので返済の義務はありませんが、個人での解決が困難なので、警察、弁護士、認定司法書士などに相談して対処するのがおすすめです。